首輪
あと数日。 ナイトレイブンカレッジからまた生徒が巣立っていく。ここに就任してから何度も経験した通過儀礼であり、学校という性質上避けては通ることのできない式だ。だが、こんなにも巣立っていくのを、手元から離れていくのを惜しいと思う…
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紅を引く
「鬼龍殿!」 そう言いながら道場へと駆け込んできた颯馬をたしなめる、けれどどこか機嫌のよさそうな声が響く。 「神崎。もう少し静かに入ってこい。」 衣装を作っている手を止め、入り口に立つ颯馬と目を合わせるよう…
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移り香
街が徐々に夕焼けに染っていく頃、開店時間より早い時間にスターレスに到着した。何時もより少し早い時間だ。 今日のフロア担当は誰だろうかと思いながらドアを潜り、エントランスに入る。開店前に店に入るのも随分と慣れてしまった。 「あれ?…
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赤に触れる
バレンタイン公演前のロッカールームには黒曜の姿があった。時間には少し早く、まだチームWの他のメンバーは来ていない。 アップをこなし、シャワーを浴びて公演衣装へ着替えたものの、ボタンは開けたまま。鏡の前で髪型のセットをしていると、錆びた蝶番…
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